にじいろエッセイ

虹のように、いろいろなことをつらつら書くエッセイ

精神科の医師ってスゴいなあ

精神科のお医者さんってスゴいなあといつも思う。
どの科のお医者さんだって気持ちが不安定な患者さんを見ていると思うけど、精神科や心療内科なんて「死にたい…」と思っている患者さんがやってくるのだ。
そんなどん底の気持ちを受け止め、落ち着かせる力が必要なのだ。どういう精神力の持ち主なんだろうと不思議でしかたない。


実は私はひと月前から両親と晩ごはんを食べなくなった。もともと両親と同居が辛くて、家を出る方法を探しているところだが、両親といっしょの晩ごはんがなんとなくイヤになってきたのだ。(朝と昼はもともと別々)
両親はこの件に関して何も言わない。私は気が楽だが一方で(心配じゃないのか?)と疑問に思っていた。それを精神科の先生に話したところ

「何も言ってこなくて良かったじゃん。あなたも気が楽でしょ?それでいいんだよ。
ひとつ屋根の下で暮らしているからって、仲良くしなければいけないってことはないんだし。
まぁ、心配はしていると思うよ。でも心配な事も幸せのひとつと言うか。あなたのことを心配するのも幸せの一部なんだよ」笑顔で言ってくれた。

先生は私にとって両親との同居がうつ病に良くないことや、私が家を出るために行動を起こしていることを知っている。それを踏まえたうえでこう話した。

なんか、ホッとした。両親とご飯を食べないのはいけないことのような気がしていたから。「アンタたちといっしょなんてイヤよ!」と行動で示している訳だから、どう思われているか不安だった。
でも、先生は明るく受け止め、返してくれた。

そういえば、以前「辛くて死にたいと思っている」と言った時は、「それくらい今辛いんだね」と冷静に落ち着いて聞いてくれた。患者さんから「死にたい」と言われて動揺しないはずはないと思うのに…

本当にどうやって精神科や心療内科の先生は自分のココロを保っているのだろう。ただただ感服してしまう。

最後に、作家の石田衣良さんは「反自殺クラブ」という作品で精神科の医師の大変さを描いている。物語の中心は反自殺クラブVS自殺志願者をあの世ヘ導くスパイダーという存在だ。気になる方はぜひ一読ください。